【入門編】ぼかし肥料の作り方~初心者でも簡単にできる方法を解説~ - LFCコンポスト

ぼかし肥料の作り方~初心者でも簡単にできる方法を解説~

家庭菜園やガーデニングをしていると、「ぼかし肥料」を目にする機会も多いのではないでしょうか。ぼかし肥料は有機栽培に適した自然派肥料で、初心者でも簡単に作れます。ぼかし肥料は環境に優しく、即効性と持続性のバランスが良い点が特徴です。「園芸がうまくいかない」と悩む方にとっては、心強い味方となるでしょう。

本記事では、ぼかし肥料の特徴や必要な材料、作り方をわかりやすく解説します。さらに、使い方のポイントや有機肥料と化学肥料の違いも比較し、より健康的で成功しやすい栽培を目指すヒントをご紹介します。

この記事は以下の方におすすめです▼

  • 家庭菜園やガーデニングの土作りがうまくいかない方
  • 環境を意識した園芸を気軽に始めてみたい方
  • ぼかし肥料について詳しく知りたい方

この記事は以下のことがわかります▼

  • ぼかし肥料とは何かをやさしく解説
  • ぼかし肥料の作り方から注意点、活用方法までを解説
  • 有機肥料と化学肥料の違い、メリットとデメリット

ぼかし肥料とは

家庭菜園の土作り

ぼかし肥料とは、米ぬかや油かす、家畜ふんなどの「有機質肥料」が主な原料です。これらを微生物によって分解、発酵し、完成した肥料がぼかし肥料です。ぼかし肥料の原料となる有機質肥料は、直接土壌にまく肥料としても使えます。

しかし、その後すぐに作物を栽培すると、微生物が急速に分解を進めたことにより一時的に有機酸の生成や「アンモニアガスが発生することにによって、発芽や生育を阻害することがあります。そこで、有機質肥料を直接施用するのではなく、土などと混ぜて分解・発酵をうながし、「ぼかす」ことが行われました。ぼかし肥料の「ぼかし」は、ここからきています。

ぼかし肥料は発酵がすでに進んでいる肥料であるため、植物に栄養が速やかに供給され(即効性)、一方で有機物の分解はゆっくり進んでいくので(持続性)、このバランスがとれた「すぐに効果が期待でき長く活用できる」点が特徴です。

ガーデニングや家庭菜園には土作りが欠かせませんが、ぼかし肥料は植物に栄養を届けるだけでなく、良い土作りの強い味方にもなります。

ぼかし肥料の材料

ぼかし肥料には、厳密な定義や規定はありません。「基本の割合」はありますが、土の状態にあわせて自分で調整できます。

基本の割合について、見ていきましょう。

  • 米ぬか:3
  • 油かす:1
  • カキ殻石灰:1
  • 発酵促進剤などはお好みで
  • 水:投入材料の1/10
    米ぬか5kgの場合、油かすとカキ殻石灰はそれぞれ1.67Kg

米ぬかと水だけでも発酵は進みますが、発酵促進剤を入れることで発酵分解作用が早まります。

また、最近では家庭用ぼかしコンポストも販売されており、家庭で出る生ごみなどをぼかし肥料の材料に使うことも多いです。

ぼかし肥料の作り方

ぼかし肥料の作り方には2通りあります。

  • 好気性発酵…切り返し作業(材料をかき混ぜること)が必要だが、完成までの時間が短い(2週間~1か月)
  • 嫌気性発酵…切り返し不要で手間がかからないが、完成まで時間がかかる(2~3か月)

以降で、初心者でも作りやすい嫌気性発酵の作り方をご紹介します。

材料を計量して混ぜる

まずは材料を計量し、手を使って混ぜます。このあとで水をかけますが、その前にしっかりかくはんしておきましょう。

ジョウロなどで水をかけて混ぜる

次にジョウロなどを使い、水をかけて混ぜます。水分量は、ぼかし肥料を作るうえで大切な要素です。かけすぎないよう、そしてダマにならないよう少しずつ加えるのがポイント。

手で握ると固まり、指で押すと崩れるぐらいの硬さにします。

ナイロン袋に入れて密閉する

材料が十分に混ざったら、ナイロン袋に入れて空気を抜き、しっかり密閉します。発酵の過程で酸素が入ると水と二酸化炭素に分解されてしまうため、完成するため袋は開けないようにすることがポイントです。

完成

温かい時期なら1ヶ月、寒い時期なら2〜3ヶ月で完成です。袋を開けて、ヨーグルトのような乳酸発酵の甘酸っぱい臭いがしたら、発行終了のサインです。作ったぼかし肥料は、常温で日陰、なおかつ雨が当たらないところで保管しましょう。3か月ほどを目安に使い切ってください。

ぼかし肥料を作る際の注意点

ぼかし肥料は家庭でも気軽に作れます。しかし、いくつか注意することがあり、これを守れていないと「悪臭がする」「発酵が進まない」といった失敗に陥りがちです。以下に注意点を簡単にまとめました。

1つめの注意点は、水分量です。分量通りに混ぜるとやや少なく感じるかもしれませんが、ここで水を追加すると多すぎて腐ってしまいます。適度な水分量は50〜60%が目安です。

2つめの注意点は、しっかり密閉することです。発酵中に酸素が入ると、その部分が白く固まってしまい、腐敗臭のもとになります。途中で袋を開けないようにしましょう。

ぼかし肥料の使い方

ぼかし肥料の使い方

ぼかし肥料の使い方は基本的に「土に混ぜるだけ」です。その使い方を2通り、注意点とあわせて解説します。

元肥として使う

元肥とは、植物などの植え付け前に土にすき込む肥料のことです。ぼかし肥料は散布後すぐに植え付けできるため、「土作りのために数カ月待つ時間がない」といった方におすすめです。

ただし、ぼかし肥料には窒素が多く含まれています。窒素過多だと作物の葉が成長しすぎてしまい、実つきが悪くなります。そのため、元肥として使う場合は「化成肥料の規定量の半分程度」を目安に散布します。

また、あまり深くまで混ぜ込む必要もなく、軽く土にすき込む程度で大丈夫です。

追肥として使う

ぼかし肥料に適しているのは、追肥として使うものです。即効性があり窒素が豊富なぼかし肥料は、作物が実をつける前や成長を促すときの「効率的な栄養補給」にはおすすめです。

ただし、ぼかし肥料は元肥と同じく、肥料過多になりやすい欠点があります。追肥として使う場合は、「土の表面に軽くまく量」を「作物に触れないように」使いましょう。

有機肥料と化学肥料のメリット・デメリット

化学肥料とは、リン鉱石やカリ鉱石といった無機資源を主な原料とし、工業的なプロセスによって合成・精製される肥料です。主に即効性を目的としています。一方で、有機肥料とは生物由来の有機物を原料にした肥料です。

ぼかし肥料は、「化学肥料のような即効性がありながら」「生物由来の有機物を原料にした肥料」。つまり、2つの特徴を併せ持つ有機肥料です。

有機肥料と化学肥料には、それぞれメリットとデメリットがあります。

メリット デメリット
有機肥料
  • 栄養価だけでなく土壌改良にも役立つ
  • 微生物や生態系を保護するため、環境に優しい
  • 緩やかに効くため、持続性が高い
  • 自分で作ることができる
  • 遅効性であるものが多い
  • 未熟なものを使うと、発酵時にガスが発生し、悪臭の原因になったり植物にダメージを与えたりすることも
化学肥料
  • 素早く植物に栄養が届き、即効性が高い
  • 成分量が明らかであり、植物の成長スピードをコントロールしやすくなる
  • 市販品が多く、簡単に入手でき使用するのもお手軽
  • 土に含まれる有機物を減少させる
  • 過剰な使用は土壌環境の悪化につながる
  • 有機肥料のような「循環」がないため、単純な「肥料代」というコストがかかる

化学肥料は即効性がありながら、土壌が悪くなるのが最大のデメリットです。一方で有機肥料の大きな特徴には、肥料でありながら土壌改良効果が期待できることが挙げられます。

「どちらが良い」とは一概にいえませんが、ぼかし肥料のように、バランスのとれた肥料を検討することがおすすめです。化学肥料を使用するなら、有機肥料も含めながら「土作り」をしていく必要があります。

有機栽培ならコンポストもおすすめ!

コンポストとは、生ごみや枯れ葉などの有機物を、土の中に住む微生物の力で発酵・分解して作る堆肥のことを指します。日本では昔から生ごみや家畜ふんを使って堆肥を作り、田畑に活用してきました。

最近では化学肥料が主になっていますが、ぼかし肥料と同じく、コンポストも環境を意識しながら気軽に堆肥を作れる方法の一つです。また、有機肥料のため「良い土作り」ができる点も最大の特徴です。

本記事ではぼかし肥料について解説しましたが、同じようなエコ意識を高める農法、有機栽培をするならコンポストもおすすめです。

LFCコンポストでは、20年以上のノウハウをたっぷり詰め込んだオリジナル設計の「家庭用コンポスト」を販売中です。コンパクトな作りとおしゃれな見た目で、ベランダでの使用もOK。コンポスト作りで悩みがちな「虫の発生」「悪臭」なども解消する設計と、サポーターへの無料相談サービスで、みなさまの有機栽培を応援いたします。

気になる方は、ぜひLFCコンポストをチェックしてみてくださいね。

関連記事一覧