カルチャーデザイン部だより〜梅仕事の王道、梅干しづくり
毎年の習慣にしたい「梅仕事」
「梅仕事」という言葉を耳にしたことがありますか?
梅が出回る5月中旬から6月はじめのころに保存食を作る一連の作業に、梅仕事という名前がついています。
梅干し、梅味噌、梅シロップ、梅酒、梅酵素など保存食の種類が多様なことも、梅の魅力の一つ。梅の実はそのままでは食べることができませんが、ひと手間加えることで日持ちがするありがたい保存食に変わります。
2024年は梅が不作で、収穫量が大幅に減り全国的に値段が高騰、市場に出回る数も少なく、梅仕事ができなかったという方も多かったのではないでしょうか。原因は暖冬により開花が早まり、受粉する虫の活動が鈍く受粉ができなかったことと言われています。気候変動が植物の生育に影響し、長く受け継がれてきた手仕事ができなくなるかもしれないと思うと危機感がにじみます。
自家製の梅干しは格別。シンプルな作り方
梅仕事の中でも、一番手間がかかると言われているのが梅干しです。ただ自家製の梅干しはやはり格別。
梅干しの作り方
① 黄色く熟した梅を用意
② 梅の重さの18%の塩を用意し、梅と塩を交互に入れ、最後に重しを乗せる
※塩分を控えると日持ちしなくなり、結局無駄にしてしまうことも。
③ 白梅酢(塩と梅から出た水分を含んだ水)が上がってきたら、梅が浸かるぐらいまでを残し、残りは別の容器にとっておく
④ 赤シソを用意する。塩揉みして灰汁をとり、③で取っておいた梅酢と合わせておき、7月上旬ごろになったら③に加える
⑤ 土用明け(8月ごろ)の晴天がつづく日に3日間天日で干す(時々揉んで裏返す)
紫蘇も干す、汁も瓶ごと干す
⑥ 完成 3ヶ月以上熟成した方がより美味しくなる
梅干しは、3〜5年ほど経った頃が一番美味しいと言われています。
できた梅干しは、ご飯にのせたりあえ物に使ったりと色んな用途がありますが、カルチャーデザイン部ではシンプルな梅干しのおにぎりがお気に入りです。
梅干しに含まれるクエン酸には疲労回復、抗菌作用による風邪予防、消化促進による胃腸の調子を整える効果があるそうです。体調が悪い時に梅干し入りのお粥を食べることは理にかなっていると言えます。
日本の暮らしの中に昔からある梅仕事がこれからも続いていく環境を守っていきたいですね。LFCコンポストのある捨てない暮らしや循環生活の工夫を続けて、楽しみながら取り組んでいきましょう。
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